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公開日:2008年10月1日
第3回 内部監査の実際と留意点
内部監査の流れ
内部監査は、具体的にはどのような手順で行われるのでしょうか。
日本内部監査協会が2006年6月に改訂した『内部監査基準実践要綱』(以下『実践要綱』)に従って、一般的な内部監査の流れを、監査を受ける立場から見ていくことにしましょう。
内部監査計画
内部監査の実施に当たっては、まず内部監査部門が監査計画書を立案します。
計画書には、監査の目標、対象、実施時期および期間、監査責任者名および監査担当者名、監査項目およびその監査担当者名、監査項目・要点ごとの主な監査手続、監査報告書の提出時期などが示されます。
監査を受ける側は、計画書の内容を確認し、必要なら修正を求めることができますし、問題がなければ合意することを伝えます。
この点について『実践要綱』では、「診断業務の実施にあたっては、診断業務の目標、範囲、関係者の責任、その他依頼部門からの期待事項について、当該部門の同意を得なければならない。
重要な診断業務の場合、これらの同意は書面をもって行うこととする。」としています。
つまり、監査側から監査計画が一方的に通知され、それに従わなければならないということはないのです。
特に日程面は部門の繁忙期に当たってしまうと、どうしても監査への協力が不十分になってしまいますし、監査の品質も低下するおそれがありますから、事前の十分なすり合わせが必要です。
内部監査の実施
次に、計画書の内容に沿って内部監査が実施されます。
『実践要綱』には「内部監査人は、内部監査の目標を達成するために質的かつ量的に十分な情報を識別、分析、評価し、この過程を記録しなければならない。」とあります。
「情報の識別」とは、内部監査部門が監査結果に基づいて意見を表明できるよう、質的にも量的にも必要かつ十分な情報を準備するということであり、「情報の分析および評価」とは、入手された情報を的確に分析して、事実を把握するということです。
そして「監査課程の記録」は、監査の実施内容を後から確認できるように文書化することです。
内部監査にかかわる「情報」とは、具体的には次に挙げるものを指します。
- 監査計画書と内部監査実施計画書
- コントロールに関する質問書、フローチャート、チェックリストおよび業務概要
- インタビューから得られたノートやメモ
- 組織図や職務記述書などの組織のデータ
- 重要な契約書や合意書のコピー
- 経営方針や財務方針に関する情報
- コントロール評価の結果
- 確認書や陳述書
- 取引、処理および勘定残高の分析およびテスト
- 分析的手続の結果
- 監査業務の最終報告と経営管理者の回答
- 監査結果を文書化した業務の通信文
監査を受ける側は、監査が滞りなく行われるよう、事前に関係文書を用意するとともに、インタビューにも進んで協力し情報を提供します。
内部監査結果の報告
監査の結果は監査報告書にまとめられ、経営層と披監査部門に提出されます。
『実践要綱』では「内部監査の活動結果を、最高経営者、取締役会、監査役会または監査委員会、および指摘事項等に関し適切な措置を講じ得るその他の者に報告しなければならない。」としています。
監査報告書は、一般に次のような内容が記載されます。
- 実施した監査の概要
- 監査期間
- 監査の目的・目標
- 監査の対象
- 監査担当者名
- 適用した監査手続
- 前回指摘事項のフォローアップ
- その他
- 監査の結果
- 監査対象に対する総合的な意見
- 指摘事項
- 改善提案事項
- その他
内部監査のフォローアップ
監査報告書で不適合と指摘された業務がある場合には、是正処置を取らなければなりません。
『実践要綱』には「内部監査の結果に基づく指摘事項や改善提案事項について、対象部門や関連部門がいかなる改善・是正措置を講じたかに関して、その後の状況を継続的に調査・確認するためのフォローアップ・プロセスを構築し、これを維持しなければならない。
現困難な問題等については、その原因を確認するとともに、阻害要因の除去等についての具体的な方策を提言するなどフォロー活動を行う必要がある。」としています。
内部監査は、監査を行うことそのものが目的ではありません。
計画の立案、監査の実施、報告書の作成、フォローアップというPDCAを回していくことで、業務管理上の問題点を洗い出し、業務上のリスク要因を事前に見つけ出し、対策を立てることが大切なのです。
内部監査を受ける際に
このような流れで実施される内部監査ですが、監査される側の留意事項について、ここで簡単に整理しておきます。
まず、内部監査は業務を改善する絶好の機会であるばかりでなく、自らの業務が適切に実施されているのかを日常的にチェックする際の“ひな型”となります。
そのためにも、内部監査さえ乗り切ればよいと考えるのではなく、監査の際にはすべての情報を明らかにし、指摘された業務上の問題点については、可能な限り迅速に対処することが、結局は自分にとってプラスになると理解しておきましょう。
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