学習塾の運営など広く総合教育サービスを展開している市進ホールディングス。
同社は、全国の拠点で生徒が使用する端末のWebフィルタリングについてその機能向上とネットワーク管理の簡素化を目指し、アルプス システム インテグレーション(以下ALSI)のクラウド型多層セキュリティゲートウェイサービス「InterSafe GatewayConnection(V-Gateway)」を導入しました。
今回は、導入の経緯や効果について、詳しく伺いました。
(インタビュー:株式会社市進ホールディングス 情報管理部 次長 今林 豊氏 / 情報管理部 IT戦略推進室 総括 佐藤 功氏)
※ V-Gatewayは、本文中ではInterSafe GatewayConnectionと表記されています。
※ V-Gatewayは2019年5月よりサービス名を「V-Web Proxy」としてご提供しています。

導入の経緯についてお聞かせください。
私どもが運営する学習塾では、講師や事務担当者用のPCに加え、授業でもPCやタブレットなどの端末を使用しています。こうした端末から青少年にふさわしくないサイトの閲覧、ウイルス感染や情報漏洩を防ぐためにも、危険なサイトや無関係なサイトへアクセスできないようにしておく必要があります。これまではホワイトリスト方式によるWebフィルタリングを利用していたのですが、拠点の増加とともに管理が煩雑化していたという問題がありました。
① ホワイトリストの管理を効率化したい
従来のWebフィルタリングは、拠点ごとに設置されたルーターへアクセスを許可するサイトをホワイトリスト方式で登録していました。そのため、新たに情報の登録や変更を実施する際には、外部の協力会社に依頼し、一拠点ずつ手作業で行っていたのです。しかし最近ではIPアドレスを定期的に変更するサイトも増えており、こうした業務を効率化する必要に迫られていました。
② ネットワークを一括して管理したい
弊社グループでは、学習塾向けの授業配信サービス「ウイングネット」も展開しています。そのため、以前は各拠点で使用する業務用のネットワークと、動画配信用のネットワークを完全に分離し、さらにWebフィルタリングのないネットワークも別に用意して運用していました。これら3つのネットワークを別々に管理するのは大きな負担となっていたので、なんとかして効率的に管理したいと考えたのです。
そこで、これら2つの課題を解決できるソリューションがないか検討することにしました。
「InterSafe GatewayConnection」の導入に至った経緯をお聞かせください。
2017年5月上旬にパートナーのSIerに相談したところ、「InterSafe GatewayConnection」と網屋のクラウドVPNサービス「Verona(V-edge)」を併用することで課題が解決できるのではないかという提案がありました。ALSIも網屋も信頼性の高い製品を提供する会社であることは知っていましたので、前向きに検討することにしました。
評価のポイントはどこにありましたか。
最終的に「InterSafe GatewayConnection」と「Verona」の採用を決めた理由は、弊社が抱えていた管理上の課題を解決でき、かつコストパフォーマンスに優れていると確信したためです。
① Webフィルタリングを簡単に一括管理できる
これまで拠点ごとの作業が必要だった特定の接続先管理が、「InterSafe GatewayConnection」ならクラウド上で一括して簡単に設定できるようになる点は大変魅力的でした。また、ホワイトリスト運用を廃止する上でのセキュリティ対策という意味では、高精度URLデータベースによるカテゴリごとの柔軟なフィルタリング設定で危険なサイトへのアクセスを防止できる点も心強く感じました。
② 導入が容易
私どもが管理している端末は全部でおよそ4000台あり、それが全国の拠点に散らばっています。仮にすべての端末へエージェント型のツールを導入するとなると、それぞれにインストール・設定を行う必要があり、とても現実的ではありません。一方、「InterSafe GatewayConnection」と「Verona」の組みあわせであれば、各拠点に「Verona」のルーターを設置するだけで自動的にWebフィルタリングが適用されます。これなら導入の際にかかる手間が大幅に削減され、各拠点への負担もありません。
③ 優れたコストパフォーマンス
他に比較・検討したサービスもあったのですが、コスト面で「InterSafe GatewayConnection」とはかなりの差がありました。月額料金の設定もあり、他サービスのおよそ半分のコストで導入・運用できるという点は大きなメリットでした。私どもが求めていた機能が備わっていてこの価格は、非常にコストパフォーマンスが高いと思います。
導入のスケジュールを教えてください。
2017年9月上旬に採用を決定、同月下旬にサービスインしています。地理的な問題もあり全拠点へ一気に展開することは難しいため、段階を踏んで導入を進めています。
「InterSafe GatewayConnection」の利用状況についてお聞かせください。
現在、およそ90拠点でルーターの変更およびサービスの導入を終えており、2018年春までに200拠点での導入が完了する予定です。現在は各拠点で使う授業用のネットワークで「InterSafe GatewayConnection」を利用しており、動画配信専用のネットワークについては他サイトへアクセスすることもないので、「Verona」の制御によってWebフィルタリングを適用せずに直接アクセスしています。
スムーズに導入できたのでしょうか。
Webフィルタリングを適用しない宛先の精査に時間がかかりましたが、サービスの導入自体はスピーディなものでした。設定なども特に問題なく、わからなかった部分も電話一本ですぐに対応・解決していただけました。導入後も設定ミスなど小さなトラブルはあったものの、スムーズに利用できています。
導入で得られたものはなんでしょうか。
まず、ホワイトリスト管理の手間が大幅に削減されました。これまでは各拠点から登録内容の変更依頼があってから最速で作業を行っても、完了までに丸一日以上時間が必要でした。しかし、今は連絡を受けてから1分程度で設定完了できるようになり、時間とコストが大幅に削減され、業務の効率が向上しました。
また、これは想定外の効果ですが、「InterSafe GatewayConnection」のログ管理機能が思った以上に役に立っています。ログの検索ができるようになったことで、拠点から接続できないという報告があったサイトをすぐに見つけ出すことが可能になりました。これまでは原因の特定にも時間がかかっていましたので、非常に助かっています。
今後の展開についてお聞かせください。
まずは残っている他の拠点への導入を進め、できるだけ早く全拠点の一括管理を実現したいと思います。また、今回の導入では範囲外だった個別指導部門についても、追加の導入を検討中です。これらが全て完了すれば、セキュリティ面はもちろん、リモート作業など、さらに高度な管理体制が実現できるのではないかと期待しています。
今後、ALSIに期待することをお聞かせください。
佐藤様
もっと多くのログがリアルタイム検索できるようになると、さらに便利になると思いますので、将来のアップデートを期待しています。
今林様
いつも実直かつ丁寧に対応していただき、お願いすればすぐに動いていただけるという安心感があります。今後ともご支援をよろしくお願いします。